コメント内の表記について
アルバム名の引用は<・・・>で、曲名の引用は[・・・]で囲むよう心掛けています。また、邦人アーティストは日本語で、海外アーティストはアルファベット表記を心掛けています。
ラベル付けされていないアーティスト等について
ラベル付けされていない記事(アーティスト)の検索には、左上にある検索フィールドを利用してください。

2014年5月31日

Evidence / Steve Khan

リリース:1983年(録音自体は'80年)
コメント:カーンさんのソロ4作目は、前3作品とは大きく雰囲気を変えて、アコースティックギター主体、かつ、ジャズジャイアントの作品カバーという形態になっています。


CBSとの契約が切れ、次のレーベルとの契約を模索する事に時間が掛かってしまい、作業継続を先行させておく必要性から自費の$6,400をかけたまさに自費出版に近い形での録音だったとの事です。

なんでも、当時は「歌もの」が入っていない、所謂、フュージョン系アーティストは解約される傾向が非常に大きかったらしいです。

もとい。先のCBS期の作品では殆どアコースティック・プレーを聴く事ができなかった分、当時、ファンにはかなり新鮮に聴こえたのではないかと想像します。

無論、純粋にアコースティックギター一本という訳ではなく、軽くエコー/リバーブを効かせたエレクトリック・ギターも最小で最大の効果を出しています。

プレーしている曲も、ウェイン・ショーター、ジョー・ザビヌル、リー・モーガン、ホレス・シルバー、セロニアス・モンクといったジャズ・ジャイアンツの曲を取り上げていますが、カーンさんのギター(アレンジ)で聴いていると、不思議とアイウィットネスのプロトタイプを見ている(聴いている)気になります。

例えば[1]にしても(そのまま...と言う訳には行かないにせよ)、このライン(メロ)をあのギターサウンドで弾き直せば...結構、アイウィットネスに近くないですか?

過去にはラリー・コリエル氏とのギター・デュオ作品(<Two For The Road>('76年))もリリースしていますが、[2]に代表される美しさの中にもしっかりと自らの主張(アレンジ)を加えての演奏が、単なるテクニックの披露に終わっていない点に注目したいですね。

直接にはさほど興味を惹かれないジャズ・ジャイアント等の曲も、こうしてカーンさんという媒体を通してアウトプットされると何となく「オリジナルも聴いておきたいなぁ」とさせてくれるから、不思議なものです。

P.S.
実は日本では次作にあたる<Eyewitness>('82年)が先に発売されており、本作は(<Eyewitness>が好評価であったことも追い風となり)後追いで発売されました。

因みに日本盤作成は、今はなき「トリオレコード」です。
収録曲
1. Infant Eyes
2. In a Silent Way
3. Melancholee
4. Threesome
5. Peace
6. Thelonious Monk Medley
- Eveidence
- Think On One
- Monk's Mood
- Little Rootie Tootie
- Monk's Dream
- Pannonica
- Bye-Ya
- Ruby, My Dear
- Friday The 13th

2 件のコメント:

  1. こんにちは。

    >歌物なし>売れない>解約
    この図式に則ってホールズワースさんもわざわざ
    ボーカル入れてアルバムを作っていたことがあります。
    目賀葵さんは丁度その頃のホールズワースの
    来日公演をご覧になったことになります(羨)
    ちなみにホールズワースさんも友人から借金して
    自主制作盤(I.O.U)をリリースしてましたね(笑)

    さていよいよ次回はeyewitnessのご紹介でしょうか。
    何故にここまで入手難なのか?
    その謎が明らかになるのを期待しております。

    返信削除
    返信
    1. コメント、ありがとうございます。

      フュージョン期、または、コンテンポラリー
      ジャズ期のカーンさんを知ることは比較的
      容易であるのに、正にその間にある重要な
      Eyewitness期を知るのはなかなか骨が
      折れますよね。

      今のご時世でもソロ作がリリースできるだけの
      力量やコネクション?はあるのですから、
      殊、Eyewitness期の作品を市場に開放しない
      理由はないと思うのですがねぇ。

      小生も実際のところを知りたいです(^^;

      削除