リリース:1980年
コメント:小生にとってのオンタイムでのスティクスは<Kilroy Was Here>('83年)ではありましたが、洋楽ファンの衆目が一致するところとしては、本作<Paradise Theater>が最も脂の乗ったスティクス作品であるという点。
[3]、[5]といったシングルヒットも含み、スティクスとしては初の全米アルバムチャート#1も手中にした作品として、コンセプチュアルな創りも施しております。
勿論、そのコンセプトが重過ぎてしまうと下手なプログレッシブバンド然としてビジネスシーンに浮上するのは難しかったでしょうが、その適度にポップでキャッチーな楽曲構成が時代にも則したのでしょう(ご承知の通り、概ね活動を開始た頃のスティクスはプログレッシブロックのそれにカテゴライズされるものだった訳で)。
全体の流れを見ると、比較的なだらかと言いますか、穏やかな感じであり、決して激流や滝がある流れではないかな、と(それの良し悪しは判りません。コンセプト自体がそうした流れに沿うものだったといえば、それまで。ロック的な荒々しさ?みたいな点はちょいと希薄)。
で、そのコンセプト至上?も過ぎたるは及ばざるが如し」ではないですが、次作の<Kilroy Was Here>もデニス・デ・ヤング(vo)の映画構想につきあう形で用意されたサウンドトラックといった位置付けになり、事実、アルバムツアーではスティクス面子がミュージカル仕立ての演者となって、演奏より演技?に時間を費やすなど、その行き過ぎたコンセプト至上、シアトリカルな演出が決定的にスティクスを内部崩壊に追い込んだというのも知られた話です。
ともあれ、スティクス最後の大仕事(笑)である本作については、'80s洋楽育ちにとってはやはり外せない一品ではあります。
収録曲:
1. A.D. 1928
2. Rockin' The Paradise
3. Too Much Time On My Hands
4. Nothing Ever Goes As Planned
5. The Best Of Times
6. Lonely People
7. She Cares
8. Snowblind
9. Half-Penny, Two-Penny
10. A.D. 1958
11. State Street Sadie
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