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2017年3月12日

アンブレラ / 笠井紀美子

リリース:1972年
コメント:メーカーとしては数が読めなきゃわざわざ高音質化+CD化して売り出す意味はないのでしょうが、音楽は必ずしもオンタイムで聴くものがいいとは限らないため、こうした作品もできれば常に入手可能な状況にしておいてもらいたい...と言うのは、音楽◯チガイの戯言であることは百も承知(^^;

大手通販サイトで調べる限りは「入手不可」だったのですが、販売元(レーベル)の関連サイトではまだ在庫あり状態のようでしたので「ポチっ」と押してしまいました...下調べは特にないまま、先日も笠井作品を中古で引き上げたところだったので、まぁ、何かの縁かと(^^

CD帯には「日本ジャズ界のトップ・レディー ロックに挑戦!!」との文字が躍っており、それはそれで興味をそそられたのですが、それ以上にプロデュースが「かまやつひろし」とクレジットされており、こちらも何となくトレンドかなと(不謹慎、すみません)。

ざっと耳を通した上での所見からすれば、う〜ん、敢えてココ(ロックに挑戦!!)に足を踏み入れる必要があったのかなぁと素直に思います。いろいろなサイトを見ると、名盤と記載している記事も少なくないのですが、まぁ、何の基準がある訳ではないのでどうこう述べるつもりはありません。

ただ事実として、ディスコグラフィを眺めると<Satin Doll>(マル・ウォルドロンとの共演)や<One For Lady>(ギル・エヴァンスとの共演)といった前後作品では純然たるジャズボーカルとして力を示していた頃でしょうし、特段、ロックボーカルとして何を示す必要があったのかな、と。

変名ではありますが細野晴臣氏はベース「ウノ モンド」、鈴木茂氏はギター「干し芋小僧」でクレジットされており、タイコにはツノダヒロ氏/原田祐臣氏、ピアノ、オルガンに大野克夫氏、エレピに村井邦彦氏といった結構な面々が参加してはおります。なので、演奏の気持ち良さは言わずもがなです。

ソフトロック/フォークロック的な[3]、鈴木氏のギターと笠井氏のスキャットがいい味を醸す[4]、オルガンの響きがブルージーな[5]などなど、ぐっと引き込まれる楽曲も多く、駄作という話ではまったくないのですが...

時代からすれば、日本語ロック創成期に近いところであることは判りますし、少なからず、小生もはっぴいえんどの音楽に痺れたことでそうした創成期のロックテイストも肌感としては判ります。

ただ、何と言いますか、正面切って「ロックに挑戦」と書いてしまうとおかしな期待値?みたいなものが生まれてしまっており、事実、これらら黙って(そうしたおかしな煽り方をせず)聴かせてくれた方がよかったのに、と思ってしまう小生、度量の狭い男です、はいm(_ _;)m
収録曲
1. ベッドの舟で愛の海へ
2. ジョージのブルース
3. とじこめて
4. 窓をよこぎる雲
5. 渇き
6. エンド・オブ・ラヴ
7. すべては一部のすべて
8. 四つの季節
9.ちょうど一時間
10.ユー・トーク・トゥー・マッチ

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