Africa / Pharoah Sanders

リリース：1987年
評価：★★★★
コメント：最初に本作を聴いて感じたのは、「微妙な路線かなぁ・・・」という点でした。

確かに、ファロア・サンダースの持ち味（と、勝手に私は思っていますが）である激しさ、例えば[1]などを聴けば済む話なのですが、その[1]は'80年作の＜Journey to the One＞や続く'81年の＜Live＞に収められていますので、悪く言えば目新しさはありません。

更に言えば、特に＜Live＞に収録のバージョンの方が個人的には好きです。

そこで「ふっ」と思ったのが、もう一方の持ち味である「美しさ」や「優しさ」という面が非常に強調されているのではないか・・・という点です。

[2]、[4]、[5]、[7]辺りのプレーを一聴戴ければお判りになるのではと思います。

そして、解説を待つまでも無く、改めてジョン・コルトレーンへのオマージュとも取れる感触。

P.サンダースがJ.コルトレーンのフォロワー（というか、直系の弟子）とも言えるアティチュードを示していたことは既知の事ですが、時にそれを払拭しようとするような傾向で作品をリリースしていた時期もあるように見受けられます。

が、本作では改めてJ.コルトレーンの影と対峙するかのようなフレーズ（音色）を躊躇い無く出しているP.サンダースが居るように思える訳です。

全体的にはやや興奮度（？）には欠ける感は否めませんが、やはりP.サンダースの想いはよく伝わってくる作品かと思います。

それにしても、ジョン・ヒックスのピアノの美しいことと言ったら！
収録曲：
1.You've Got to Have Freedom
2.Naima
3.Origin
4.Speak Low
5.After the Morning
6.Africa
7.Heart to Heart
8.Duo