リリース:1976年
コメント:前作<Late for the Sky>から2年以上のインターバルを空けてのリリースとなったジャクソン・ブラウンの4作目。J.ブラウン初のアルバムトップ10入りを果たした非常に品質の高い作品ではないかと思います。
これまではほぼ1年に1作といったコンスタントなペースであった事から却ってその「2年の期間」が注目されますが、要因の1つはよく知られているように本作の収録完了間際に妻のフィリスさんの自殺があったこと。
また別の要因としては、J.ブラウンのコンポーズスタイル「先に詞を書き、後からメロをのせる」の順序を敢えて変えることにこだわった点と言われています。
アルバムの雰囲気として、少なからず妻の死が本作に影を落としており…的な陰鬱さはほとんど感じられる事はありません。
J.ブラウンこの時28歳の計算になりますが、そこにおいて妻との死別を乗り越えての本作リリースにはかなりのエナジーが必要であったであろう事は想像に難くありませんし、特段、それを売り物にするような下衆な事もしないでしょう。
本作、日本盤での入手ではありましたが、歌詞はあるものの対訳はついておりませんでした。多少頑張って訳してみたものの、結局は文明の利器(色々な方のWebサイトを閲覧)に頼りましたが(^^;
若さと苦悩と理想と…流石に「'70sで最も完成された作詞家」と評される実力に加え、どこか頼り無さげながらも耳を捉える歌声、特にラスト[8]で締めくくられる本作が、非常にいい余韻を味あわせてくれます。
ファミリー的といいますか、一体感を優先するような前作までの音模様とは少し違っているかも知れませんが、これは前作からのバック・ミュージシャンを(デヴィッド・リンドレーを除いて)総入れ替えしている事からも明らかです。
前作がどうのこうのと言うのではなく、(特にバンド楽曲について)ココでは非常にさっぱりとした、耳に聞こえのイイ音になっているように思います。
また、そのバックを支えるゲストミュージシャンとしてリトルフィートからロウウェル・ジョージ(g)、ビル・ペイン(p)、スタジオミュージシャン系ではジェフ・ポーカロ(ds)やチャック・レイニー(b)といった面々の名前が見えます。
収録曲:
1. The Fuse
2. Your Bright Baby Blues
3. Linda Paloma
4. Here Come Those Tears Again
5. The Only Child
6. Daddy's Tune
7. Sleep's Dark And Silent Gate
8. The Pretender
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