コメント:1970年、スイス。モントルー・ジャズ・フェスティバルの舞台に初めて立った日本人ジャズメン、それが渡辺貞夫氏率いるこのクァルテット。
そしてそこで繰り広げられた音楽は、世界のジャズ潮流が次なる方向性を模索し始めていた頃に、この日本人クァルテットがしっかりとその方向性を視野に入れていた所にその偉大さがあるのではないかと思います。
美しいジャケットからはちょっと想像できませんが、アナログ盤時代にはA面全てを占めていた[1]から、物凄い勢いでこの四人が走り出します。
小生自身は本質的にロック方面からジャズを覗き込むような形でしかジャズそのものには対峙していない(出来ていない)と思っているのですが、このライブのために抜擢された若き日のつのだ☆ひろ氏(ds)のロック・テイスト満載のプレー、増尾好秋(g)氏のレンジの広いプレー・スタイルだけでも、小生の好奇心を充足させて余りある音が収められています。
そして、その[1]と対を成すような感触を与えてくれるのが[3]。
タイトルから印象を受けるように、モーダルな美しさとジャポニズムを感じさせる非常に素晴らしい楽曲かと思います。
この美しく印象的なジャケットにも一票。
閑話:
ライブの冒頭、司会者が「サダオ・ワナタベ」と紹介しているのはご愛嬌・・・かと思っていたら、裏ジャケに使用されている新聞の切り抜きにも「WANATABE(ワナタベ)」と書いてあります(^^;
まだまだそういう時代(ナベサダ氏をしても東洋の一ジャズメン、という扱い)だった?
収録曲:
1. ラウンド・トリップ:ゴーイング・アンド・カミング
2. ラメント
3. 東京組曲:サンセット
4. パストラル(テーマ)
こんにちは。
返信削除つのだ☆ひろさんは地元有名人だからという
ことでもないのですが、あのパワフルな
ドラミングはかなり好きです。
たまたま増尾好秋さんは個人的に
未開拓なギタリストで何か切り口が欲しいなと
思っていたナイスタイミングのご紹介で
早速購入しようと思ったら廃盤のようなので
気長に探索しようと思います。
またまた好盤のご紹介ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
削除サイドメンからの切込み、流石ですね(^^;
芸能人化してしまった?つのだ☆ひろ氏ですが、
ここでのプレーは本当にカッコいいです。
案外、つのだ☆ひろ氏の(歌ではなく(笑)プレー
を追いかけるのも面白いかも知れませんね。
和ジャズを語れる程のナレッジはありませんが、
ヒノテルさんがフュージョン化する前やナベサダさん
のこの辺り、大野俊三氏や峰厚介氏(この方は
後にネイティブ・サンを組む方のようですね)辺り
の諸作が非常に響いていた時期がありました。
またぞろ、その辺りの音が聴きたくなり、ちょいと
聴き直しついでのレビュー更新もしようかなぁ
と思っております。