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2014年6月14日

Let's Call This / Steve Khan


リリース:1991年
コメント:復活したアイウィットネスは残念ながら<Public Access>の1作のみで終焉となりましたが、先のレビューでも触れましたように、それでカーンさん自身がアイウィットネス期への区切りをつける為の作業であったなら、それはそれ。



ともあれ、ファンの耳目は「その後の方向性は如何に?」に集中する事は間違いなかったかと思いますが、カーンさんが矢継ぎ早に繰り出した次の作品がコレ。

因みに、今回のカーンさん特集で再視聴するまで、10年近くずーっとCD棚に眠っていたようで...猛省しきりです。

カーンさんのHPからの情報では、先の<Public Access>を通じて思った事の1つは、ライブワークの少なさだったとの事。

で、その事が?アコースティックなベース、ドラムをバックにシンプルなトリオとして演じてみたいという欲求に転化していった延長がこの作品なのだそうです。

この辺りは製作裏話的なモノですが、そうした思いからある時、ベーシスト、ドラマーを入れて僅かの時間でデモトラックを7、8曲作り上げたところ、これがレコード会社の目にとまり、本作が陽の目をみる事になったらしいです。

ただ、その時のリリース条件として「名の知れたベーシスト、ドラマーと差し替えること」を要求されたらしく、その結果、ベースには重鎮ロン・カーターを、ドラムには<Dark Magus>やアガパン(<Agharta>&<Pangaea>の事を”通”はこう呼ぶらしい(笑)でマイルス・デイヴィスの屋台骨を支えたアル・フォスター(ds)という、ビッグネームを迎えての再録?になったようです。

軽めのエコー+クリーンなトーンでのコードワーク/メロディラインは、アイウィットネス時代にも通じるものがありますが、カーンさん自身のなんとも「フワっ」とした浮き上がるようなフレージングは、シンプルなフォーマットであるが故に更に前面に出てきているようです。

セロニアス・モンク、ウェイン・ショーター、ラリー・ヤング、フレディ・ハバード、リー・モーガンなど、有名ジャズマンの曲に対するカーン流アプローチ(解釈)は、まさに氏独自の感性が味わえるものではないでしょうか(本作でのカーンさん自身のコンポーズは[7]のみ)。

個人的には、L.ヤング作の[2]、F.ハバード作のポップな一曲ともいえる[6]がいいかなぁと思っています。

尤も、こうしたカーンさんの志向性は解りますが、やはり、そのスタイルや楽曲に多少の「壁」のようなモノをまだ感じてしまうのは、多分、個人として「フュージョン期」にあまりに固執し過ぎている故の度量の狭さと、こうした(いわゆるストレートなジャズに近い音楽性への)不慣れ具合が「要因」なのだろうなぁと思います(苦笑)

閑話:
小生がクロスオーバー/フュージョン作品を渉猟している際に出会った作品の1つに、A.フォスターのソロ作品<Mixed Roots>('78年)というのがあります(とうに廃盤かも知れませんが、一時期CDで入手できました)。

これがなかなか面白い作品で、確かに'70s中期辺りのドープなマイルス(笑)の影響か、何と言いますか、聴く側のメンタルをグワァングワァン揺さぶるような感じで、初視聴のときには「これだっ!」と思いました(笑)
収録曲
1.Let's Call This
2.Masqualero
3.Backup
4.Out of This World
5.Played Twice
6.Little Sunflower
7.Buddy System
8.Street of Dreams
9.Mr. Kenyatta

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