リリース:1978年
コメント:ひょんな事で大貫氏の<Cliché>('82年)を視聴してから、そこに至る経緯、シュガーベイブとかティンパン系とかの音への興味のような枝も少し伸び出している事もあり、中古ショップで何作かまとまって並んでいたのを見て「えいやっ」で入手(^^;
カーンさん特集の幕間という位置づけは大貫氏に失礼かと思いつつも、少し自身の耳のリセット?にも最適かなぁと思い放り込みレビューとなりました(笑)
付属のライナーノートは氏自身によるものだったのですが、いきなりのネガな書きっぷりに思わず苦笑い。
本作は氏のソロ3作目にあたり、前2作とはレーベルも変わって当時のRVCからのリリースになっておりますが、より商的色合いも強くなり、当然「ひとつ、売れるモノをお願いします」との声掛けに、この時既に違和感はありありだったとか(無論、ご自身でも「ビジネスなんだから当たり前のことなんだけど」と理解はしておられます)。
結果から言えば商的には振るわず、殊に、音楽評論家としても非常に有名な○倉エージ氏によるプロデュースには当初から戸惑いがあった事も書かれています。
シュガーベイブなどな当時の音楽シーンでは傍系であり、従来の評論陣からは厳しく叩かれる事も多かったのだそうです。
まぁ、プロとして、大人として、譲るべきところ?は譲り創り上げた作品は…商的には失敗なのですが、ご本人曰く「その後の活動でも大切にしているレパートリーになった曲もあり…」とフォローされています。
本作の特徴の1つは二人のアレンジャーを擁して、バックもそれに合わせるかの様な組み合わせで録られている点でしょうか。
瀬尾一三氏によるそれは、雰囲気的には歌謡曲っぽさを多めに表出させる様な行き方で、林立夫(ds)、鈴木茂(g)、後藤利次(b)と言った演者が脇を固めています。
もう一人は坂本龍一氏(key兼任)で、感触的にはニューミュージック路線の匂いが多めでしょうか(個人的にはこちらの感触がいいかなぁ)。
こちらは高橋ユキヒロ(ds)、細野晴臣(b)、村上秀一(ds)等が中心にバックを支えています。
元々のコンセプトとしてこの様な形態だったのか否かは判らないのですが、何か少しいイビツと言いますか、体裁を整える事が先行して、十分に大貫氏の思いが反映され尽くしたのかなぁと。
尤も、先述のように先にご本人によるライナーに目を通してから楽曲と対峙した事も影響しているとは思いますが…そういう思い込みの下だと、ジャケットまでもが「『男性』における自信の無さ」を想起させる絵面(えづら)に見えてしまい...>失礼いたしました m(_ _;)m
収録曲:
1.じゃじゃ馬娘
2.横顔
3.黄昏れ
4.空をとべたら
5.風のオルガン
6.言い出せなくて
7.4:00 A.M.
8.突然の贈りもの
9.海と少年
10.あこがれ
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