コメント:アイウィットネスとしての活動がほぼ限界に近づいていたのが丁度この頃となりますが、この時期にカーンさんは非常に素晴らしい経験を積む事になります。
はい、ウェーザーリポートを率いていたあのジョー・サヴィヌル氏との邂逅です。
ウェザーリポートもこの年に終焉を迎えたのですが、ザヴィヌル氏は新たに「ウェザーアップデート」を結成してその歩を休める事無く前進を図りました。
そのウェザーアップデートにギタリストとして迎えられたのがカーンさんでした(実は最初はジョンスコさんにお声が掛かったのだそうです(^^;)。
ウェザーアップデートでのツアーを終えて後、本作製作の機会が訪れた際に、あるアイデアの具現化にピッタりのアーティストとして思い浮かんだのが、以前に作品で顔なじみでもあったロブ・マウンジー(key、p、synth、vo)だったのだそうです。
「あるアイデア」というのが、即ち、ザヴィヌル氏との作業から得たモノ/感じた事、であろう事は想像に難くありません。
リリースが'87年ということもあり、音的にはウィンダムヒル一派が一世を風靡したニュー・エイジっぽくなくもないのですが、先のザヴィヌル氏から受けた影響はいわゆるワールドミュージック、ミクスチャーのはしりとでも言う様なセンスだったようです。
アコースティック・ギターと鍵盤類、軽く乗っかってくるボーカル(というか鼻歌?はR.マウンジー)というシンプルな構成で、総体的には硬派な?カーンさんファンにはこれまでの作品とのギャップに戸惑う事請け合い(^^;
正直、小生も最初に本作と対峙したときは否定的に感じました。曰く「今ひとつ面白味が...」、「全然制作意図が判らない」と。
しかし後追いではありますが、前述のザヴィヌル氏との出会いと経験が如何にカーンさんの音楽観を揺さぶったのかを知る事で、自身の新たな創作意欲の発現と具現化への意気込みが込められた作品だったのだなぁ、と再視聴を通じて感じた次第です。
収録曲:
1.Tafiya
2.The Blue Rose
3.I See a Long Journey
4.Gondolas
5.Intruder
6.The Hunt
7.Mahana
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