リリース:1972年
コメント:以前フュージョン渉猟期にトライしたかったのですが、既に廃盤の憂き目にあっており、かつ、中古市場では法外な値付けがされていた事もあり視聴は諦めておりました。
そんな中、某オンラインCDショップのニュースレターに本作がリイシューされるとの報を見て即予約・入手した次第です(この辺りのミーハーさは否定しません(笑)。
洋楽通の貴兄には説明の要は無いのでしょうが、簡単に解説しておきますと、ダニー・コーチマー(g)、クレイグ・ダーギ(key)、リーランド・スクラー(b)、ラス・カンケル(ds)の4名から成るバンドがこの「セクション」。
「洋楽通の」という振りは、彼らの紹介文によく書かれる「ジェイムス・テイラーのバックバンドを勤めた」という部分を承知の方が多いだろうとの予想からです。
実際、ダニー・コーチマー(通称:クーチ)はJ.テイラーと幼馴染みという事もあり、J.テイラー初期の名作としてよく挙げられる<Sweet Baby James>や<Mad Slide Slim and The Blue Horizon>の制作の頃にはほぼこの面子が協力しています。
J.テイラーと絡むという事は、当然?、キャロル・キングとも絡んでいる訳で、短命ではありましたがC.キングも参加してのCityというバンドを組んでいたこともあるようです。
で、J.テイラーのバックバンド立ち位置から一歩離れて、クーチ主導によるJo Mamaというグループでの活動が気に入った事から「セクション」としてのソロ作品をリリースするに至る、というのが大まかな経緯です。
アーティストのバックバンドから始まって…といストーリーは、ままよく聞くのですが、セクションが敢えてインストバンド(いわゆるフュージョン系)に行ったのはちょっとユニークかなぁと。
音的にはボーカルもいませんのでJ.テイラーやC.キングのストレートなSSW的匂いはありませんが、どことなくカントリー的な朴訥としてちょっぴり土っぽい匂いもするような、まぁ、ほんわか系な音でしょうか。
スタジオ系ミュージシャンが集って形成されたStuffはもう少し遅いデビューですが、Stuff程にR&B的な要素は濃くありません(という意味で、やはりカントリーとかSSWっぽさが強いのかなぁ)。
随分と前に何の脈絡もなくセクションの2nd<Forward Motion>がCD化された折に入手・視聴済みなのですが、(ライブ作品でもあるのですが)結構、ほんわか・脱力系(笑)な音作りで、それはそれでイイ感じで揺れるのです。
StuffともCrusadersとも違う土っぽさは、また、フュージョンファンにはいい音楽ソースではなかろうかと。
なお、本作でリード(サックス)も出てきているのですが、これはマイケル・ブレッカーの客演によるものです(一部、フルートを吹いている楽曲もあり、それはそれでちょっとレアかも知れませんね)。
収録曲:
1.Second Degree
2.Same Old Same Old
3.Sporadic Vacuums Of Thought
4.Sitting On The Dock Of The Bay
5.Holy Frijoles
6.Doing The Meatball
7.Swan Song
8.The Thing What Is
9.Mah-Moo-Dah-Vah
10.Zippo Dippo
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