アルバム名:
アーティスト:Steve Khan
リリース年:1979年
コメント:前二作で実証されたカーンさんのコンポーズの妙と参加面子の力量、もうこのパターンで作品を量産して行けばよかったのにぃ…まぁ、そんな期待をするのは小生のような劣等生ファンのみでしょうかね(苦笑)
実際、小生は後年になって「ジョン・スコフィールド」というギター弾きを知る事になるのですが、まさにジョンスコさんの演奏に垣間見たのは、このカーンさんのテイストであったと言っていいかと思います。
この「アウトしそうでアウトしない」このジャズ的でもロック的でもないようなフレーズの運び方に痺れてしまうのです。
もとい。実際のところ「何があったのか」は良く知りませんが、ライナーノートだったかにあったのは「CBSとの契約切れ」という言葉、単純に考えれば本作含む3作品とも「そんなに売れなかった」という事でしょうか…と言うことで、CBSレーベルでのカーンさんリーダー作品は本作が最終作となります。
面子としては1作目からのラフル・マクドナルド(perc.)は見当たらず、クラッシャー・ベネットがその位置についています。
で本作には幾つか気になる点がありまして…それは、前二作と違う印象、幾分強めのギターパワーを感じる点です。
例えば初っ端の[1]。テーマを弾く際にはこれまでやっていなかったアームによるビブラートなぞ効かせておられますが、それ以上に10分超えの大作([1]-[2]で1つの組曲)仕立てで、中盤のインタールードを挟んでからエンディングまでのハード&フロウに弾いております。
この強めのギターによる「押し」がその「気になる点」の一つです。
また、本作では他者のコンポーズは一曲も無く、全てカーンさんの手によるものです。
なるほどと、本作のクレジットにボブ・ジェームスの名前が無い事に気づかされますね。
B.ジェームスの意向とかコントロール?とかから離れ、本当の意味で?ソロ作品を仕上げたという事だったのでしょうか?
更にそう考えると、この楽曲・演奏スタイルで演れる「最高のパフォーマンス」を演じた、ある意味「フュージョン期の集大成」とカーンさん自身が考えたからこそ、次なるステージに向けて大きく楽曲・演奏スタイルを変えていったのかも知れません。
また本作のクレジットで初めてロブ・マウンジーの名前が出てきます。
時代的には本作参加前にロバータ・フラックの作品に名前が見えたり、更には本作に参加しているデヴィッド・スピノザ(g)のソロ作品にも名前を連ねているところから、案外D.スピノザからのレコメンド?だったのかも知れませんね。
で、そのR.マウンジーとは後年になって<Local Color>('87年)、<You Are Here>('98年)と、コリーダー作を二作品も出すなど、カーンさんにとってはとても相性の合う部分が多くあったようです。
#因に最新作<Subtext>(2014年)にもR.マウンジーの名前がみえます。
収録曲:
[1] City Suite
[2] City Monsters
[3] Dream City
[4] Candles
[5] Daily Village
[6] Some Arrows
[7] Calling
0 件のコメント:
コメントを投稿