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2007年1月4日

Turn It Over / Tony Williams Lifetime


リリース:1970年
評価:★★★★
コメント:'70s初頭、ジャズもロックも混沌としたコンテキストの中で次なる道を模索していた頃にあって、トニー・ウィリアムス(ds、vo)がLifetimeを率いてジャズ/ロックの歩み寄りに対する一つの解を示したのが、前作<Emergency!>や本作の位置づけなのではないかと思ったりしています。

ここではジョン・マクラフリン(g)の伝手(つて)があったのか、
元クリームのジャック・ブルース(b)を引き入れることに成功し、バンドとしての音は更に低音化・ラウド化へと進化しています。

ラリー・ヤングのオルガンが不穏な音を響かせる中、J.マクラフリンのギターが縦横無尽に駆け抜け、J.ブルースのベースが強靭なボトムを支えた上で、T.ウィリアムスのドラムは全ての垣根を叩き潰すかのような勢いで突進してゆきます。

本作をして、「混沌」という言葉を使う解説は多くあるかと思います。

しかし、混沌というのは整理がつかないからこその言葉であり、本作では「混沌」とした部分はあるものの、しっかりまとめる所は抜かりなくまとめています。

本当に始まりも終わりも定かでないフリージャズ系や、後年、アヴァンギャルドな要素を取り違えて(?)導入していた種々のバンドとは明らかに違います。

また、誤解の無い様に述べておくと、ここでのJ.ブルースの活躍がクリームでのそれ以上であるという事はありません。

クリームでやったことをそのままLifetimeで再現させることはT.ウィリアムスとて望んでは居なかったでしょうし。

事実、当初J.ブルースへの期待値はvoとしてのそれであったと聞きます。

ともあれ、若かりしT.ウィリアムスの理想が後のクロスオーバーやフュージョンの萌芽に影響を与えたのは間違いないところかと思います。

元親方のマイルス・デイヴィスが<Bitches Brew>で示した方向性とT.ウィリアムスがLifetimeで示した方向性が必ずしも一致しないところが、これまた面白さの1つ・・・なのではないでしょうか(^^;
収録曲
1.To Whom It May Concern - Them
2.To Whom It May Concern - Us
3.This Night This Song
4.Big Nick
5.Right On
6.Once I Loved
7.Vuelta Abajo
8.A Famous Blues
9.Allah Be Praised
10.One Word

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